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望江楼公園

【入場時間】8:00-18:30
【入場料】20元/人

唐代の女流詩人薛涛にちなんで清代のはじめに造られ、成都の南部を流れている錦江のほとりに位置しています。
薛涛は西暦770年に成都で誕生し、この地で父をなくし、楽妓に身を落すことになりました。しかし、詩才に富んでいる彼女は数多くの名詩を残して唐代一の女流詩人と称えられました。晩年彼女が水を汲み、詩箋(しせん)を作ったといわれる井戸が公園内にあります。詩箋が美しく明代に皇帝への貢物ともなったことから「薛涛井」としての名も広まりました。
薛涛は生涯を通じて竹を愛し、竹を広く植えることで竹を敬う気持ちを表しました。彼女だけではなく、竹は昔から文人墨客が欠かしてはいけないものとして珍重されてきました。常緑植物として一年中生気に満ちていることから、中国では頑強なことのシンボルとなっています。常に天に向かい聳えたっているので、粘り強く向上心のあることに喩えられ、根がしっかりはっていることも自制心を持っている喩えとして賛美されています。
現在の望江楼は竹の公園として国内外の観光客を引き付けています。正門に入り、まず目に入るのは道の両側にびっしりと植え込まれている各種の竹です。130余りの種類があり、中国内で竹の品種の一番多い公園となっています。
公園の南西に立っている四層の建物が望江楼で、「崇麗閣」ともいいます。下の二層が四角、上の二層が八角の楼閣で、そりかえった屋根は実に優美さを感じさせています。

『柳絮』
二月 楊花 軽復た微
春風 揺蕩として人の衣を惹く
他家 本 是れ無情の物
一向に南に飛び 又た北に飛ぶ

【和訳】
二月の柳絮は軽やかに微かに
春風に揺れ、人の衣にまといつく
もともと感情を持たぬ物ゆえに、
南へ飛んだかと思うと、また北へ飛んで行く

【解釈】
薛濤は中唐の人。韓愈や白居易と同年輩であります。
もと長安の良家の子女だったが、父について蜀(四川省の略語)へ行き、のち妓女となります。
節度使韋皐(いこう)に愛され二十年仕えました。韋皐は薛濤の才を惜しみ、本気で朝廷の校書郎に推薦しようとしたほどであります。
むろん女性に官を授けられるはずもなく、この話は実現しないが、このことから芸妓を「校書」と呼ぶようになりました。
薛濤は劉禹錫や元ジン(ノギ辺に真)とも交遊がありました。 晩年は浣花渓に住み「薛濤箋」と呼ばれる紅色の原稿用紙を作りました。
今日、成都の町を流れる錦江のほとりの望江楼公園の中に、薛濤が使った井戸が残されています。この詩は、軽妙なタッチの詠物詩です。春風に舞う柳絮の軽薄なさまが活写されています。
柳絮を“無情の物”ということにより“有情の人”という意味=がきわ立つのです。